終わりある旅の愉しみ

　昨日高山の街中を車で走っていて、某お寺の掲示板にあった一言。

「世の中が便利になって一番困っているのが　実は人間なんです」

　調べてみたら浅田正作という真宗の僧侶の言葉のようです。逆説的な言い方かもしれないけど、納得できる部分が結構あります。便利になることに比例して、どんどん人間の価値がなくなるような今の社会。



　便利な社会を作るために「効率を上げる」。そうするとしわ寄せをくうのは人間です。
　大手のパン製造会社が販売するパンの値段は町のパン屋さんの値段の半分以下。コンビニで売ってる、結構本格的で美味しいケーキは、これまた町のケーキ屋さんで売ってる値段の半分以下。町のパン屋さんやケーキ屋さんが「暴利を貪ってる」訳じゃないんですよね。人件費を機械が削ってる訳です。

　いろいろな「職人の技術」を機械がマネ出来るようになりました。テレビ番組の「リアルスコープ」とか「シルシルミシル」なんかで見る、お菓子なんかの製造機械って凄いですよね。ホント（゜◇゜）します。そんな便利な機械を開発したお陰で、本家の「職人」が生きにくい時代になっちゃいました。
　昨日、焼岳の下り道、偶然大垣の理髪店主と一緒になり、色々世間話をしながら歩いたのですが、同じことを言って見えました。「息子さんが居るなら職人はやめてサラリーマンにした方が良いよ。公務員なら尚更堅い」と言われたのですが実感あります。でも、例え会社に勤めたとしても・・・細かい事は忘れましたが、最近の調査で「必要のない社員」の第1位が「50代男性」となってました。悲しいことに、長年かかって身につけた「スキル」は必要ない時代になったという事なんでしょう。若い内が華、歳取ったら何処にも安住の地はない(>_<)

　一部の権力者や大金持ち、システムを開発する能力を持った人は別でしょうけど、今後、人の労働力が必要とされるのは「機械に出来ない効率の悪い仕事」に限られてくるような気がします。　例えば、田んぼの稲刈りの時に機械が入るための四隅を刈る仕事。書いてて切ない・・・(;.;)

　森へこもって自給自足の生活がしたいなぁ・・・・(^^ゞ